組合員活動報告
【報告】 理事研修(徳島)vol.3 上勝町ゼロ・ウェイストセンター
2024.9.24
2003年日本ではじめて自治体として、ゼロ・ウェイスト宣言を行った小さな町、上勝町の「ゼロ・ウェイストセンター」を訪問しました。
「ゼロ・ウェイスト」
「ゼロ・ウェイスト」とは、無駄・ごみ・浪費をなくすという意味で、「ごみをどう処理するか」ではなく、「ごみを生み出さない」社会を目指す考え方です。
町内に焼却施設はなく、ごみ収集車もありません。住民みずからごみステーションにごみを持ち込み、分別をします。
混ぜれば埋め立てか焼却処分となってしまうごみも、しっかり分ければ、それぞれ引き受け先があるためです。
それぞれの分別ごとに、行先やその際にかかる経費、あるいは資源としての収入単価が示されていて、自分の出したごみがその後どうなるのかがわかる仕組みになっていました。
ちなみに、現在の分別は45分別。
そう聞くと、反射的に「大変!」と思ってしまいますが、実際は、分かれているほうが迷うことがなくわかりやすいのだそうです。
リユースショップやリメイクの工房も併設されていて、ごみをださない工夫にあふれた施設でした。ちなみに、生ごみは、コンポストなどを利用して各家庭で処理されています。
ここに至るまでには、野焼きや不法投棄、焼却炉のダイオキシン問題、財政難、という差し迫ったごみの削減という難題に直面した歴史がありました。
自分たちでなんとかするしかない、という中での決断が、ごみを生み出さないこと。その後、様々な人の想いとアイデアで進化し続けています。先進的な取り組みは、世界中から注目を集め、取り組みに関わる交流人口や、移住者も増えているとのことでした。
施設の建物も、町内産の木材を用い、また、窓枠などの廃材も活かし、さらに、作ったあとも修繕がしやすく、不要になった際もゴミにならないデザインで、自然との共生、あるものを活かすというゼロ・ウェイストを具現化した素敵な建築でした。
今回、お話を聞きながら、「ごみ処理には多くの税金が投入されている」ということをあらためて認識しました。町としてのゼロ・ウェイストは小さな町だからできたことではあると思いますが、それでも、私たちのごみも税金で処理されていることを考えると、まずは、家庭でできることからすこしずつ、意識してごみを出さない工夫をしていこうと思いました。
(奥村)