組合員活動報告
【2024年度理事研修報告vol.5】理事研修2日目(3) 「島こしょう生産者(島酒家)」
2024年度の理事研修として“平和”をテーマに2025年1月12〜14日に沖縄を訪れました。
各報告を掲載して行きます。
7年前までキビ畑だったという島こしょう(ヒハツモドキ)の畑を訪問しました。ピパーチと言われるが、それぞれの地方で呼び名が変わり、生産者さんの出身地である与那国ではチバティと言われるそうで畑の入り口には「チバティ農園」という看板がありました。

島こしょうは葉っぱはお茶として、青いものはわさびのように使え、落ちた葉は肥料になるという捨てるところの無い作物で、インドネシアなどの南方より琉球へ伝わった作物です。
ですが植えてから収穫まで2~3年かかり収入が得られないので、作り始めるハードルがとても高いということでした。生産者さんはご実家で食べていた葉っぱの天ぷらが好きだったことから定年退職後に栽培しようと在職中から準備をしていたため島こしょう農家になりましたが、転作というカタチで始めるのは厳しい作物と話されていました。
島酒家の石黒さん曰く、日本一の島こしょうの生産者で、生産者を探して尋ねたピパーチ協会でも当時有機認証はとっていなかったものの無農薬栽培で、生産方法や管理など群をぬいて一番だったとのこと。
収穫のピークが7-8月、10-11月の2回あり、現在は就労支援の方などに入ってもらって3人で収穫して運営しているそうです。虫は付きにくいですが、葉の裏に隠れている実が多いので収穫は大変で、1キロ収穫するのに1.5時間~2時間かかり、手で撒くため水やりには3日かかるということでした。収穫できるようになると毎年植えなおす必要が無い反面、風に弱く、今年度は520坪の畑に1200本植えていたものが、台風によって1100本前後となり、その分は植えなおさなければいけません。
お茶にもなりますが、お茶は競合する商品が多いので、島酒家さんでは収益をあげるためにも葉を使ってヨモギ、モリンガと合わせて沖縄産のオーガニック青汁を作ることを計画しています。手間のかかる作物ですが栽培を続けてもらう為に、特色ある商品を作り農家の収益性を上げていきたいということでした。(白仁田)