組合員活動報告

【2024年度理事研修報告vol.1】理事研修1日目(1)「対馬丸記念館」

2024年度の理事研修として“平和”をテーマに2025年1月12〜14日に沖縄を訪れました。

各報告を掲載して行きます。

理事研修1日目対馬丸資料館へ行きました。対馬丸資料館とは第二次世界大戦中に起きた「対馬丸事件」に関する資料が展示されている博物館です。この事件は太平洋戦争の戦況が著しく悪化してきた1994年「次は沖縄が戦場になる」という事で日本政府から疎開するよう指示された民間人が沖縄県の那覇港から本土へ向け出港した民間船の対馬丸が、アメリカの潜水艦ボーフィンによって沈められたという悲劇的な出来事です。乗っていた多くはお年寄り、女性、学童疎開の子供たちでした。米軍の潜水艦の魚雷攻撃を受けわずか十分足らずで海の藻屑となって消えてしまいました。

乗船者約1788名のうち約1500人が犠牲になり、そのうち約1000人が0歳児から15歳の子供たちだったそうです。犠牲者の数に“約”がたくさんつくのは、対馬丸に関する確かなデータが一つも残っていないからで、当時は細部にわたる被害実態調査がされていなかったそうです。一階は当時の子供たちの学校生活がわかるもの、疎開生活の体験談、犠牲者の方々の遺影や遺品が展示されていました。学校生活や玩具からも戦時色が色濃く感じとれましたし、疎開先での暮らしが子供たちにとってどんなものだったかがよくわかりました。犠牲者の数がとんでもなく多いのに対し、残された遺品や遺影があまりにも少ない事がなんとも生々しく、虚しい気持ちになりました。

二階には対馬丸の航路図や、当時の乗客の体験談が生存者のスケッチとともに集められたコーナーがあり、戦争の恐怖と命懸けで生き延びた人々の証言が文字だけでなく、音声や映像でも紹介されておりその迫力に圧倒されました。またこの事件については、語ってはならないという「箝口令」がしかれていた事を裏付ける遺族の手紙も展示されていて戦争の悲観さと民間人の犠牲を象徴する事件であった事を物語っていました。戦争は決して歴史の一部でなく、今を生きる私たちにとってその影響を与え続けています。ここでの学習はこれからの未来に向けて【平和の重要性】を改めて強く認識させてくれる貴重な時間となりました。(報告者:山﨑)