お知らせ

【理事研修報告】岡本農園「てんとう虫は従業員」

2022.1.19

天敵農法 虫守ピーマン(生産者:岡本さん)

高知県から16年ほど前に「天敵農法やってみませんか?」と農家に呼びかけがあった。当時、岡本さんは農薬を使っていたが、どうやっても駆除できない虫(シルバーリーフコナジラミ)が現れたのをきっかけに、やってみよう!と一念発起された。まだ国内で天敵農法で成功している例はほとんどなく全てが手探り。独学で虫の特性を調べ、虫を殺さない肥料を研究し今ではヨーグルト菌、納豆菌の培養まで行う。

とにかく「虫の気持ちになること」岡本さんは熱く語る。虫には肉食と草食が存在する。その生態系を利用し、草食の虫が好む草(ソルボ―)をハウス内に置き、そこに群がるアブラムシをてんとう虫が食べる。アブラムシはその草が大好物なのでピーマンには来ない。来たとしてもてんとう虫が食べてくれる。ごほうびにダニをおがくずに混ぜて葉に撒くときもある。エサが豊富にあるので、虫たちはピーマンを食べる必要がない。だから岡本さんのピーマンは陽の光を浴びて暖かいハウスの中で元気に輝いていた。

ピーマンも虫も「ここが好き」と言っているようだった。しかし、ここまでの道のりは険しかった。はじめは虫に食べられ散々な結果だった。多くの農家がさじを投げる中、岡本さんは「虫って面白い!」とはまってしまったそう。今も楽しくて仕方ないと笑顔で仰っていたのがとても印象的だった。

新しい虫を採取し、その生態を調べ抜き、この虫にはどんな天敵がいいか?この虫にはどのエサがいいか?戦国ゲームのようで楽しいとの事。ピーマンを見に行った私達だったが虫博士にお会いしたかのようだった。岡本さん楽しい時間をありがとうございました。

生産者の岡本さん「毎日虫の気持ちになって考えています」
とっても元気なピカピカピーマン、葉っぱもきれいです!